いつかみた空。 どこかであった猫。 だれかのうしろ姿。 そして 小さいころのあなた。
http://rairakitta.blog2.fc2.com/
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告  
癒しの旅~その3
2006-09-25 Mon 16:05
いいにおいがする。

これは たしか パイ。
香ばしいにおいと甘い林檎の匂い。
アップルパイだ。

「目が覚めた?」

彼女は微笑む。
陶器のようななめらかな白い肌。
美しい青い目。
金色の髪は まっすぐに彼女の肩でゆれている。

手をのばす。
足をのばす。
からだのすべての機能を確認する。

大丈夫だ。どこも怪我はしていない。
今回も 無事に動けそうだ。

「なにか 飲む?」

そう 微笑むと
彼女は キッチンに続く ドアをあけて 
でていった。

寝かされていた ソファからおりると
あたりを 観察する。
これは いつものくせ。

きちんと整理された居間は
ほこりひとつない。
ラジオから音楽がちいさな音でながれている。
モーツアルトかな?

壁際の机には 家族の写真が 一枚。
小さい頃の彼女と父親と母親?

カレンダーが ないかなと
みまわした時 彼女が お皿をもって
はいってくる。

「ミルクでいいかしら」
そういって また 微笑む。

彼女は 絨毯の上に お皿をおく。

そういえば 喉がからからだ。

たっぷりとはいった お皿に顔を突っ込むと
ミルクをいただく。

「おいしい?猫ちゃん」

ああ。そうよばれるのは 好きじゃないなあ。
顔を上げて そう 彼女に伝えたけど
彼女には 「にゃあ」としか 聞こえないらしい。

「そう。たくさん飲んでね」

私はあきらめて お皿にむかう。

そう たしかに 猫だけど
彼女が知っている 猫とはちがう。

ふりかえると まっくらなテレビのブラウン管に
自分の姿がうつっている。

どうみても ちっちゃな 黒猫だ。
スポンサーサイト
別窓 | 癒しの旅  
| ☆いつも旅のはじまり☆ |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。